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とにかくエサの確保
ヤドクガエルのエサの基本はやはりウィングレスやフライトレスの跳べないショウジョウバエです。消費のつど、購入することもできますが、自分で簡単に増やせます
ハエが殖えるにはセットして約2週間必要です、初めにこれをセットして、2週間の間にVivariumを作ると素早いですよ。
ケース
ケージは前面がスライド式に開く構造のビバリウム専用のものが、後々のメンテナンスも楽なのでぜひ用意したい、日本でもリーズナブル価格で購入できるようになりました。
しかし手元にある水槽をそのまま利用するのが一番安上がりである。サイズは最低でも60p×30p×36pは欲しい。このサイズなら安全に飼育できる。しかし、もし可能ならこれより大きなサイズを用意したい。
もちろんこのサイズより小さな水槽でも飼育できるが、外気変動の影響を受けやすくなるので、環境の維持が難しくなる。
ケースのふた
水槽を利用する場合は、ふたを準備する必要がある。小さな隙間でも頭が入れば抜け出てしまうので確実にフタをしないと、逃げ出し数日後にからからに乾いたカエルと対面することになってしまう。パイプなどを通すために切り欠きをしてある熱帯魚用のものでは簡単に逃げてしまう。ステンレスメッシュなどでできた全体を覆ってしまうものの方がよい。これにガラスフタを組み合わせて湿度調整をする方法が簡単である。
底床材
一番底には軽石5o以上サイズが底にたまった水が動きやすい隙間をたくさんつくることができる、軽石以外でも水の動く空間を作れれば大丈夫だから一番手に入りやすいものを利用すると良い。
軽石の上には若干の土などを敷く、これはショック物の根張りをよくするためである。ワイルドスカイではごま粒サイズの無肥料土とヤシ殻を細かく繊維状に砕いた物を使用している。
底床材の上に敷くもの(カエルが歩き回る表面)
ここではぜひ生きたコケを探したい。
また地上棲種には落ち葉も有効である。
植え込む植物
植物はカエルが隠れることができる場所になるのでできるだけたくさん植え込む方がよい。しかし、あまりに過密に植え込めば通気が悪くなり、下葉に光が届ず、落葉し底床上に空間ができて逆効果になるので、そのあたりを考慮して適当な量を割り出す必要がある。また、樹上性の種を飼育する場合にはブロメリア(アナナス)を植えてやると、葉の間の水たまりで落ち着くことが多い。
また植物は、根っこが常に水に浸かっていることが多くなるので、過湿に強いサトイモ科や水草の水上葉のものを利用したほうがよい。その他にハイドロカルチャーで育てられた植物も使える。過湿に弱い植物を使う場合は、植え込む場所を高くするなどして根っこが水中に没しないような場所に植え込む必要がある。
底床上に敷く生きたコケはなかなか手に入れにくいものだが、どうしてもなければ鮮度の良い乾燥水苔を湿らせてビニール袋に入れて密閉し明るいところに置いておくと2ヶ月くらいで緑の美しいコケが出てくることがあるのでぜひ試してみて欲しい。
気中葉水草は大きさも手頃で開花も期待できる。ジャングルに生える雑草のイメージにもピッタリのものが多い。
また、バックやサイドにも着生植物を活着させてカエルの行動範囲を広げることができる。
レイアウト用の流木や石
それぞれの好みに応じて準備すればよいが、ヤドクガエルに影響を与えるような材質のものは避けること。
ケースバックとサイドにはヤシパネル(板状にプレスされた椰子)をシリコンで張り付けたり、バージンコルク板も雰囲気が出る。
へご板はWildSkyでも使用したことがあるが現在は使わない、理由はへご板の小さな隙間に足を取られて怪我をしたカエルがいるから、こういう人為ミス的な事故でカエルを傷つけることは残念。
水を回すためのポンプ
地面と同じレベルまで水を入れる場合は、植物の根に酸素が十分行き渡るように水を動かした方がよい。そのために底面フィルターの立ち上がりパイプを短くカットして使用したり、外部濾過器を利用する方法がある。水中ポンプを利用することもできるが、底床材の微塵をかんで故障することがあるのであまりおすすめできない。
オーバーフロー式の水槽が使えるなら、排水パイプを必要水量の高さまでカットして底床材が排水パイプに入らないように工夫すればよい。
ヒーター
夏場は必要ないが、最低気温が20℃を切るころからヒーターが必要になる。ヤドクカエルが動き回る地表の温度を23℃位に保てるようにする必要がある。ケースの底に敷くフィルムタイプのものが使いやすい。これと上に載せる蛍光灯の熱で目標温度に達するが、それでも足りない場合は電球式のものをプラスすることとなる。
サーモスタット
熱帯魚用電子サーモスタットだと使用するヒーターのワット数が低すぎてうまく作動しないことがあるので、は虫類両生類用のものを使用する。設定温度は27℃にする。夜間温度を下げたい場合はタイマーとセットでサーモスタットの2連方式となるが、必ずしも下げなくてもよい。
照明器具
ヤドクガエルには紫外線は全く必要ないとよく聞くが、最近は必要性を感じている欧米のブリーダーも多い。ただし強すぎると良くないのでレベルを選択できる商品で数値の低いものを使用する。蛍光管式のものが使いやすいので、これを一本と植物用に一本のダブルライトがよい。
セット
バックやサイドにヤシパネルやバージンコルク板など使う場合は、シリコンで張り付けるがシリコンが完全に固まるまで一晩くらいおいて作業を始めよう。
コルクは立てかけて底床材で押さえるだけでもわりと安定する。
まず、底面フィルターを使用する場合は底にセットし、よく洗ってゴミを落とした底床材を敷く、あくが出るような底床材は使う前に十分あく抜きをする。外部フィルターを使用する場合は排水パイプの先に目の粗いネットをかぶせて底床材をパイプ内に吸い込まないようにする。また、外部フィルター本体内でウールを使用して泥がインペラーにまで達しないようにする必要がある。
次に、流木や石などをセットし、植物を植え込んでいく。園芸店で買ってきた植物や採集した植物には農薬がかかっている場合があるのでよく洗ってから使用する。初めから密植すると成長してきた植物が過密になることがあるので、そのあたりを考慮して植え込む。数ヶ月後に現れる景観を想像しワクワクする最高に楽しいひとときとなるはずである。過湿に弱い植物は根が水に浸からないところに植えるが、それでもだめになることがある。いろいろな植物を試してみて欲しい。植え込んだ後いったん枯れても根っこが生きていれば新しい芽が成長して来るのですぐには抜き取らないで様子を見てみると良い。特にシダ類はこの傾向が強いように感じられるのであきらめないで欲しい。有茎水草など根っこが弱い植物は少量の水苔を巻いて植え込むとやりやすい。この時根っこはひとまとめにしないでなるべくばらけるようにしたほうがよい。
植え込みがすんだら底床材とほぼ同じレベルまで水を入れ、生きたコケなどを敷いていく。コケの上に気に入った植物の種をまいておけば発芽するのでこれもおもしろい。バックやサイドのヤシパネルやバージンコルク板にウィローモスなどをくっつけて外部フィルターからの水をシャワーパイプでかけてやると活着する。この時シャワーパイプの水は直接ウィローモスなどにかからないようにケース壁面側に向けておくこと。
最後にヤドクガエルの体高より低い水位の水入れをセットして、サーモスタットのセンサーを気中にセットし27℃に設定しフタをして照明をつければセット完了である。後は水を回して、数時間後に地表温度が23℃くらいであることを確認しておくこと。